「ヒカルおねえさま」は昔つくった話です。
昔から脚本もどきを書くのが好きだったのですが、これもその中のひとつです。
その「ヒカルおねえさま」の話を、なんとなく気が向いて、あらすじだけ雑記の方で紹介してみたところ、
こうして漫画化のリクエストを頂けてしまいました。棚ぼた!
でも全部マンガにするのはちょっと無謀そうなので、6Pに凝縮してみました。大体あんな感じです、ノリとか。
元ネタはもちろん宝塚です。いろいろ、屈折して受け止めました。


▼雑記に書いたあらすじ
『ヒカルおねえさま』


 男女共学の宝高校に、1年前ずば抜けた成績で入ってきたのが、塚田ヒカルさん。
以来、憧れのおねえさま的オーラを出し続け、宝高校の女という女を魅了している。
上級生にも女性職員にも掃除のおばさんにも「ヒカルおねえさま」と呼ばれている謎のビッグぶり。
 しかし流石のヒカルおねえさまも、男子生徒には受けが悪かった。
高校での新しい出会いを期待していた男子や、彼女がおねえさまの虜になって破局してしまった男子などなど
数多くの男子生徒から恨みを買っているのだ。
しかし10人中9人が女子である生徒会と、女性校長の協力とで、宝高校はヒカルおねえさま万歳の校風が出来あがっていた。

 そんな状況を打破しにやってきたのが、今年入学した南波影都くん。
(なんば・かげつ君と読みます。あまりにくだらない名前で胸を打たれた…)
南波は中学時代に、市内で伝説を作り出したほどの口説き名人。自分に落とせぬ女はいないというプライドを持っており、
ヒカルおねえさまの噂を聞きつけ、どちらが女にモテるか勝負するためにだけにわざわざ宝高校に入学した。
 そんなアホをするくらいなので、南波は本当にモテた。
以前はおねえさまに独占されていた女子のハートだったが、今やその半分は南波にいった。
高らかに勝利を宣言する南波だったが、おねえさまはどっちがモテるかなど興味はない。
それより南波が来たことで、学校の雰囲気が悪くなっていることに心をいためていた。

 南波は、はじめのうちこそおねえさまから女子を取り戻す救世主として男子にたたえられていたが、
結局女子にモテるのは南波だけなので、今はおねえさまと同じような恨みを買ってしまっていた。
女のヒカルおねえさまより、男の南波の方が憎く思えるのは当然。今や男子の怒りの矛先は南波に向いていた。
男子達はついに結束。南波をしめる計画がひそかに進められた…。
 そして女子の方でも、「南波に寝返った裏切り者をいましめる会」が発足。こちらでもひそかに、
南波派女子をしめる計画が進んでいたのである…。
 そんでもってこの2つの計画実行日は、偶然にも、都合よく、同じ日であった。

 さて、そんなことには気づきもしない南波。なんとなく感づいて調査を始めるおねえさま。
しかしおねえさまの努力もむなしく、二つの報復計画はいよいよ遂行されてしまうのだった。
 まあ省略しますが、色々あって二つの計画がごちゃ混ぜになり、なんだかもう、学校中がパニックとなる。
しばらくして、女子の方はおねえさまが宝塚人情組みたいな感じで静めた。さて問題は男子の方だ…
 南波の元へ急ぐおねえさまだったが、ついに南波が男子どもに捕まってしまった。南波、ピンチ!
と、ここでヒカルおねえさまが到着。南波をかばって殴られたりもしつつ、色々やって、仲直りした女子たちも
全員で駆けつけたりして、それで最後に、おねえさまが宝塚人情組みたいな感じで場を静めた。

 この事件以来、男子全員がヒカルおねえさまのファンになる。南波派だった女子たちも、おねえさま派に戻った。
そしてもちろん、南波も仲間入り。「オレは本物の恋を知った」とか言っている。
こうして宝高校は、満を持して、ヒカルおねえさま万歳の校風が出来上がったのであった。(ついていけない男性職員)

 しかし事件から数日後、おねえさまがお家の事情で、明日にでもおフランスに旅立つことを告白する…。
もう、日本には帰ってこないのだという。
感動のお別れ。涙のフィナーレ。宝高校全員で、涙ながらに旅立つお姉さまを見送ったのだった…
(完全においてけぼりを食らう男性職員)

ヒカル「あなたたちのことは決して忘れないわ。宝高校での思い出は、私の心の中で永遠に輝きつづける綺羅星となることでしょう!
     フランスは遠いけれど、私の心は、いつでも宝高校に…。皆さん、さようなら!…グラッチェ…!」
男性職員・山田「川下先生、グラッチェってフランスじゃないですよね…」
男性職員・川下「ああ、イタリア語だな…」
(※おねえさまは普段、”ありがとう”を”サンキュウ・ベルマッチ”と言います。)

おしまい
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わけのわかんないあらすじを長々と読んでくださってありがとうございます。
久しぶりに自分で読み返して、『ヒカル、サングラスをかけ直し…』とか『ヒカル、サングラスを取った。』とか
超サングラスのことが書いてあるのでウケてしまいました。
おねえさまは決めシーンのとき、必ず、サングラスを使ってなにかしらやっています。
南波に怒った時は手で握りつぶしてました。おねえさまはその日の放課後、お財布を気にしながら「メガネドラッグ」で
新しいのを買ってました。

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